武道 第12回福岡実践塾セミナー / 第1回 特別講習会レポート2014/01/13 

2013年11月30日(土) 福岡県糟屋郡久山町の山田小学校体育館にて第12回福岡実践塾セミナー及び、第1回特別講習会が開催された。
今回は福岡実践塾生に加えて、研修生、児童合わせて63名の稽古会となった。

また、季刊誌「道」177号で紹介された、今の日本の教育に危機感を募らせ、教育の改革・伝統教育の定着を目指している『ヒトの教育の会』会長の井口潔教授(医学博士・理学博士)を迎える機会に恵まれた。



井口潔教授と宇城塾長


生物学的視点からの正しい教育の在り方を提唱する井口教授に、その理論を実践・体現する宇城塾長の気の世界を見学していただいた。
宇城塾長は初めに、人間にとって『自然との調和』が大事であることを説き、本来『調和』であるべきスポーツや教育も現実には対立を生みだし、今や行き詰まり、転換期にきていることを指摘した。

■人間の潜在能力
塾長は初めて講習会を受ける研修生が半分近くいることから、「今まで学んだ知識や常識の小さな世界の中では絶対不可能ということを今日はやります」と挨拶し、講習会が始まった。

まず、塾長は男性10人を力ではなく、調和で軽々と引っ張った。



力ではなく調和で男性10人を動かす塾長


続いて、塾長は子供に同じことを行わせるが、子供は力で引っ張っぱるために対立し全く動かすことができなかった。
しかし、塾長が気を通すと、子供でも簡単に動かすことができるようになった。



塾長が気を入れると、子供でも動かせる






この事実によって小さな世界で頭脳優先の思考しかない参加者に、塾長は目に見えないエネルギーの存在を証明した。

今は塾長が気を送ることにより、不可能が可能になる事実を経験しているが、それは誰もが持ち得る人間の潜在能力であるという事実は、とてつもなく大きな私たちの希望である。宇城空手の原動力は心を創っていくことであり、相手を倒す、相手より強くなるという相対的なものではなく、己が強くなるということである。 塾長が示す気により、今の常識では考えられない力が出せることがわかると、人間の凄さを認識し、自ら自信が持てる。これは試合に勝って得るスポーツの相対的自信とは大きく異なることである。

10人の男性が一列に並び、前の人の肩を掴む。男の子が前に立って先頭の人を押すが無理であることは明白。次にきちんと心を入れて、正しい礼をすると全員を押すことができた。



正しい礼による調和で、大人の列を軽々と動かす小学生






同じく10人の列を引っ張る検証では、女性ひとりでは当然不可能であるが、小さい子どもがお母さんの手を繋ぐと簡単に引っ張ることができた。子どもには対立意識がないため、そこに調和が生まれることを示した。



女性一人(母親)だけでは、男性10人の列を動かすことは出来ない




子供が手をつなぐと引っ張ることができた


塾長は、子どもの持っている本来の力をそのまま成長させるためにも、親が考えを変え、学校の先生が変わらないといけないと指摘した。
続けて、「日本が世界で通用するのは、元来日本人が持つ誠実・真面目・真剣・嘘を言わない・礼儀正しさである。それが日本の強さであり、世界から尊敬されるところである。単なるスローガンではなく、感謝の心・思いやりの心・調和の心、心をつくることが大事である。家庭内でも親が挨拶しなさいと子どもに命令口調でいうより、親が先に『おはよう』と言えば、子どもはする。挨拶すると自分の周りも変化していく」と述べた。

■中心と重さの変化
次に、参加者は二人組になり、おんぶをした。横に振ると上の人とずれが生じるが、塾長の気によって中心をつくると二人が一体になりぶれない。また、気によって軽くなったり、重くなるのを体感すると、その不思議な状態に驚きの声があがった。



塾長の気により、身体の状態が自在に変わる




塾長が気を入れると、突然重くなる


■気の連鎖
床にあおむけになっている人を持ち上げる検証で、重いと自己暗示をかけたら余計軽くなり、精神論は意味がないことが判る。気によって重くなった身体は軽く相手を倒すことができ、投げられても痛くない。また、投げられても投げ返すことができ、それを繰り返す。勝ち負けの世界ではないことを体感する。



塾長の気により身体が重くなり、寝たままの姿勢で上の人を軽々と投げることができる




気での投げは調和の力が働き連鎖していく


■心の向かう所に応ずる気
塾長を男性陣が持ち上げる検証では、持ちあがった身体を塾長自身が重くし、「身体は内なる気に応じて動き、気は心の向かう所に応ずる」と述べると、一瞬にして男性陣を潰した。



塾長自身の身体の重さを変え、男性数人を瞬時に潰した






スポーツのように強さを競ったり、偏差値・学歴に左右される相対的世界とは次元の違う世界を塾長から見せられていることをあらためて実感した。

1+1=2と、正しい答えで身体が強くなるが、間違った答えでは弱くなる。頭は嘘をつくが、身体は正しい答えを知っているという検証で、塾長はさらに5+5=10という画一的な答えだけでなく、足すと10になる数字は1+9、1.5+8.5、……、と無限の可能性を秘めていることを小さいときから子どもの身体悩にインプットさせ、創造性豊かに育てることが大事であることを指摘し、そうすれば、人生で迷いが生じたときに身体が答えを出してくれると説いた。

■目に見えない力
二人組になり、ひとりが後から相手を羽交い締めにする。塾長の気で締められた人を細くすると容易に腕を上げることができた。気で大きくも小さくもできるということは塾長から体感させてもらった数々の身体検証と同じ人間の目に見えない力が働いていることの証である。



後ろから羽交い絞めにされているが、気により容易に外すことができる






目に見えない力=大気の力=気は「サンチンの型を一所懸命やることにより、その技で道理が身体の中からでてくる。そうすると自然の偉大さがわかってくる」 と塾長が説明した。

■さいごに
今回の数々の身体検証を通して、「調和の心」が人間力をつくることを学んだ。経済中心の今の世の中は対立構造そのものである。自然との調和を怠った人間が、統一体で生きる術を見失うことが人間社会を崩壊へと導くのだと思った。そして世界に誇れる伝統文化を持ちながら惜しげもなく切り捨て、西欧文化に迎合してきた結果が今の日本の姿である。性急に武術の心を取り戻さなくではならないと思う。

「死ぬ時に最高潮であることが理想であり、そこに向かって、日々地球に生かされていることを頭に入れて謙虚になることが大事」  宇城空手は死ぬまで続く修行であることをあらためて肝に銘じた。



集合写真


稽古終了後、懇親会では、緊張から表情が硬かった初参加のメンバーたちに、塾長はひとりひとり語りかけ、励ましの言葉を送った。気がつけば会場が雪解けのあとの清々しい春のような温かく穏やかな雰囲気に包まれた。


懇親会の模様


福岡実践塾 長野陽子

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