武道 第4回 福岡実践塾審査会及び第14回稽古会レポート2014/04/20 

2014年3月29日(土) 福岡県糟屋郡久山町にて第4回福岡実践塾審査会及び第14回稽古会が開催された。
審査会では、全員が昇級させていただき、9名の初段昇格者が誕生した。

 2年前に大病で手術し、筋肉の衰えにより、正座した状態から立ち上がるとき、手をつかないと立ち上がれない塾生への検証から始まった。

塾生の検証:
 前に置かれたテーブルの上の書類を丁寧に真っ直ぐに置く。→正座する。→立ち上がる。そうすると、手をつかず、すんなりと立ち上がることができた。逆にぞんざいに書類を置くと、手をつかないと正座から立ち上がることができない。次はテーブルをまっすぐの状態からずらして検証すると、塾生が書類を丁寧に置いたにもかかわらず、違和感を感じてすんなり立てない。すると、塾長がこの場合、まずテーブルの位置を正すことが肝心であることを示した。気を張ることは大事だが、書類を丁寧に置くことだけに居ついてしまうと、気が滞る。空間の全体をとらえることが大切であると指摘した。



書類を丁寧にまっすぐ置くと簡単に立ち上がれる










 今の常識に捉われ、「できない」と思い込んでいることがあまりに多いことを塾長の示す気の検証で実感することができた。事故で障害が残った塾生の検証でもこのことが実証された。

 左足を抑えられ、腰を下に引っ張られ、さらに3人から右手を引っ張られた状態でも塾長に気を通してもらえば微動だにしない。また、8人を相手にしても倒すことができた。「そういう力があるにもかかわらず、手術したからとマインドコントロールされている。気を通すことにより、できなかったことができるようになり、自信を取り戻す。どんなことを言われてもこの自信こそが自分を取り戻していく」この塾長の言葉に限りない励ましと希望をもらったと同時に、なによりひとの幸せを心から願う塾長の愛を強く感じた。



塾長の気により、身体に障がいのある塾生が簡単に投げることができる







「身体は内なる気に応じて動き、気は心の向かうところに応じる」の検証:
T字に並んだ塾生の先頭の人に塾長が触れると、予想外の方向に倒れていく。エネルギーには方向がないことを実証した。




エネルギーには方向性がないことを示す塾長







 腰を掴んで連なった8人の先頭の人の親指に塾長が触れて左右に揺さぶると、8人がひとりでに輪になり走り出して止まることができない。目に見えない、自分たちでは出せないとてつもないエネルギーで動かされているのがわかった。



塾長の気により動かされた列は止まることができない






「打って勝つは下の勝ち・勝って打つは中の勝ち・戦わずして勝つは上の勝ちなり」の検証:
戦わずして相手の先を取るのが江戸時代の勝ちであり、現代のスポーツの勝ちとはレベルが違う、と指摘した。戦わずして勝つとは、相手をゼロ化して攻撃できなくすることを検証で示した。

 正座した人を両側から2人が胸と背中を抑え、揺さぶると真ん中の人は右往左往する。真ん中の人が塾長から気を通されると両側の2人は倒された。これもひとつの勝ち。もうひとつは2人の抑える力をゼロ化すると2人を倒すことができた。本来誰でもこういうエネルギーをもっているのにできない身体にさせられていると指摘した。



通常では押さえられた両側の2人を倒すことができず、逆に倒されてしまう




塾長の気により抑える力をゼロ化され、容易に倒せる


 全員が塾長の後ろに帯を掴んで連なった状態で塾長は正しい歩き方を示し、全員を機関車のごとく動かした。
私たち塾生はたったひとりに後ろから抑えられても前進することができないが、正座をすることにより、腰が軟らかくなり、歩くことができた。次に柔軟体操をすると腰が硬くなり、歩くことができない。柔軟体操で身体が軟らかくなるというのは、西洋の常識にマインドコントロールされているだけと、塾長が指摘した。



腰を掴まれた塾長が、掴んでいる全員を軽々と動かす




腰を掴まれた塾長が、掴んでいる全員を軽々と動かす



 私たちが、正しい歩き方ができないのは、日本の文化から畳文化を排除し、西洋化された生活様式を取り入れたのが原因であることが、検証で実証された。正座から隙のない姿勢、隙のない立ち方、隙のない歩き方がうまれる。それが現代人は何ひとつできていないと指摘した。日常の生活で正しい正座や礼といった所作を身につけていた昔の日本人は「事理一致」を培う術も無意識のうち会得していたのだろうと思った。

刀の差し方:
2人組になり、相手の帯の中に手を入れると簡単に手が抜ける。抜けないために力を入れたら逆効果でもっと容易に抜けてしまう。塾長に気を通してもらうと、帯に入れた手がくっついて抜けなくなった。

 塾長が帯に差した木刀を塾生が抜こうとするが抜けない。それは抜かれまいと力を入れるのは身体が部分体になっている証拠。統一体で相手に入るから抜かれないのである。



塾長が差した刀を抜こうとするが抜けずに逆に制されてしまう






 「鞘のうちで勝負を決める」「戦わずして勝つ」といった武士の究極の姿を、長年技術者として厳しい開発競争の中に身を置きながら、一方で武道を追及されてきた塾長の桁違いの気が実証している。

 木刀を差した塾長が正座から前後左右に木刀を振り、鞘におさめる所作や、刀を右手に置き、座礼をする所作を稽古会の最後に披露したが、それは言葉で表現しがたいほど美しく、威厳があり、世界中で感動と尊敬のまなざしを受けるものだと思った。正々堂々、ビビらない、昔の日本には相手を包み込む器の大きさがあったという。



塾長による刀を使った所作の演武






さいごに:
 今回は病気や事故、そして大震災に遭った方々が持つエネルギーの大きさに気づかせてもらうと同時に、様々な検証を通して「できない」と思い込むこと、常識に囚われていることの先に希望はないと、あらためて思った。そしてこれからもっと厳しい状況に遭遇するであろう日本人が、国に頼るのではなく、各々が己を磨き、自分や家族を守り貫く覚悟が要ることを強く感じた稽古会だった。



集合写真



祝賀会:
 塾生の子どもたちや見学者の方々も交え、審査会の緊張もほぐれて、なごやかな雰囲気で進行した。
塾長は見学者の方々にも声をかけて励ましのお言葉や、笑い話を披露したり、最後まで塾長の優しさと愛情に見守られた懇親会だった。



集合写真








福岡実践塾 長野陽子
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