武道 第4回 宇城空手シアトルセミナー2014/10/08 

2014年 9月13日(土)・14日(日)の両日、第4回 宇城空手シアトルセミナーがシアトル郊外カークランドの地で開催された。 

4回目の今回も、全米の各都市やカナダなどから、様々な分野で活躍している約40名が参加した。
武道歴もさまざまであり、初参加の人からニューヨークセミナーやシアトルセミナーに毎回参加している人まで、等しく宇城塾長の指導を受け、強い感銘を受けたセミナーであった。

■型とその検証
はじめに、宇城塾長が2日間のセミナーを通じて行うことを、ホワイトボードに筆記した。
力を使わない調和の力「気」と、その結果生まれる「ゼロ化」について、また調和と対立の関係などの解説があり、型によってその力が引き出されることなどが、実践を通して示されていく。
潜在能力は「気」によって引き出され、現在の自分にとって不可能であることが一瞬にして可能になる。
正しい型は、身体に「気」を通すが、実際に正しい型ができているのかどうかを見極めなければならない。

■サンチンとナイファンチンの全体稽古
2日間の稽古の説明後、サンチンの型を全体で行った。
多くの参加者が、リピーターであり、セミナー後も自宅や集まりなどで稽古を積み重ねているため、雰囲気が非常によく、初めて参加した人達も、すぐに全体に溶け込み、型を行うことができた。また、子供達も自然と参加し、真剣に稽古している姿が印象的であった。



全体でサンチンを行なう


数回サンチンを行なった後、塾長は型からの動きについて指導した。
サンチンの型では、腕を引き、突きを行う動作が基本であり、正しいサンチンを行うと腕をつかまれていても、引くことができ、また突くときに抑えられても抵抗なく拳を出すことができる。その検証を、2人一組になって行った。

■サンチン検証
無理やり引こうとすると、相手と対立が生まれてしまう。それでも力任せに引けば引ける人でも、宇城塾長が触れるだけで、引くことができなくなってしまう。


出した腕が引けなくなる


突くときも、力任せに突いた突きは弱いが、正しいサンチンの突きの威力は驚くほどである。それを検証するために、3人組になって、二人がしっかり踏ん張っている状態をもう一人が突きや掌底で押す。
身体の呼吸が詰っていると、全く動かないので、口を“パッ”と開いて、身体の呼吸をする方法が指導された。



呼吸が身体に通ると3人でしっかり頑張っても簡単に押されてしまう


参加者の感想:「内面の力といって大げさに表現する指導者がいるなかで、宇城先生はシンプルに、人間の本来持ってい力と、意識を凌駕するエネルギーにアクセスする方法を教えてくれました。非常に素晴らしい体験でした。」

サンチンの中割れの検証は、肘をしっかり押さえられた状態で行われた。



宇城塾長の中割れはまったく止めることができない


宇城塾長の型は、どの時点においても押えたり、止めたりすることができない。動きがゆっくりに見えるサンチンの型で、その事実を実感することができる。

■ナイファンチンの検証
ナンファンチンの型で、今回特に指導の中心となったのは、“相手に入る”ということであった。
心を込めてきちんとした礼をする、ものをぞんざいに扱わない、落ちたごみを拾う、などといったことも、その一貫として指導されたが、型の実践としては相手に入り、顔を軽く打つ稽古が行われた。
正しい型で入ると、相手の力が抜け、伸ばした腕を少し動かすだけでも、倒すことができる。








ナイファンチンで相手に入る塾長



参加者の感想:「いつも私のレベルに合った情報を与えていただいていると思います。今回、特に印象に残ったことは呼吸でした。沢山呼吸に関する教えをいただいて、非常に嬉しかったです。…ここで学んだことを次のセミナーまでに取り組んでいくつもりです。…多くのことを理解するのに時間がかかると思いますが、教えていただいたことに感謝し、家に帰って稽古に取り組めることを楽しみにしています。」

仰向けになって、もう一人が上から首を絞めに来たところを、左右や頭上方向に投げる稽古も行われた。これは、相手に入ることができていないと、まったくうまくいかない。しかし、塾長が仰向けになっている人に気を送ると、どの方向にでも相手を導くことができる。また、逆に上から掴みに来る人に気を送ると、下の人はまったく何もできずに抑え込まれてしまった。

■稽古後の懇親会
初日の稽古終了後、ワシントン湖が展望できる、シアトル支部長ジョシュ・ドラックマン邸で塾長を囲みホームパーティーが行われた。この日は、天候もよく名峰レーニア山も遠望することができた。
打ち解けた雰囲気の中で交流しながらも、塾長の技が披露されると皆が集まり、塾長の一つ一つの動作を熱心に観察していた。



塾長の技を熱心に観察する参加者達


■二日目の稽古
2日目からの参加者も加わり、サンチンとナイファンチンの型を全体で行った後、身体の呼吸、力を使わないこと、対立をなくし調和に向かうこと、などをテーマに稽古が開始された。
塾長は脇を締めることの重要さを指摘されたあと、パッサイの分解組手である、「回し取り投げ」を披露した。











回し取りから投げへの一連の動作


脇の締めも力で行おうとすると、逆に身体ごと持って行かれてしまうが、塾長のそれは、一見すると脇が空いているように見えるが、腕がくっついてしまいどうすることもできず投げられてしまう。

■事理一致
「事とは、稽古においては事実や技であり、日常においては行動である、理とは稽古においては真理や心の働きであり、日常においては誠である」「身体は内なる気に応じて動き、気は心の向かうところに応ずる」
稽古において、塾長の技は事実であり、そこには真理がある。塾長に投げられると、全く嫌な気持ちにならないだけではなく、投げられた人が倒れたままで、別の相手を投げることができる。これは、エネルギーの連鎖のようなものであり、投げられことが負けではなく、塾長の気によって守られていることになる。まさに、対立ではなく、調和によってのみなされる事実である。

参加者の感想: 「セミナーに参加した人にしかわからないと思いますが、誰かに打たれて痛い目に合うと、気分が悪くなるのですが、先生に打たれた場合は逆に嬉しいというか、幸せになります。」







対立で向かってくる相手も、一瞬で調和され、無力化されてしまう



参加者の感想:「宇城先生の技を体験できて非常に光栄でした。先生はとにかく本当に速い。動く前に既にそこに動いているといった感じでした。気も素晴らしく、驚愕しました。」
「初めて参加してから5年ほどになりますが、今回は今まであった抵抗が無くなり、私自身オープンになれたと思います。そして、心の底から先生を学びたいと感じています。これは私とって本当に特別な感覚です。来年またお会いできるのを心より楽しみにしています。」

■エネルギーの連鎖
気は地球とつながったエネルギーであり、心と深く結びついている。今回の稽古の締めくくりは、全員が一列に前の人に帯を掴み、宇城塾長が先頭の人に入れた気によって、全体がそれぞれの人の意識とは関係なく動きだし、止まることができなることを体験した。
傍から見ていると信じられない光景であるが、中に入っている人間にとっては、不思議なエネルギーを感じることができる貴重な体験であった。

■さいごに
ニューヨークとシアトルの年2回の海外セミナーは、厳しさの中にも温かみのこもった素晴らしい体験である。
参加した子供の母親の感想文にもあるが、昨年参加した子供達は、きちんとした挨拶をしたり、靴をそろえたりゴミを拾ったりすることで、身体が強くなることを理屈抜きで学んだことによって、日頃もそうしたことを続けているそうである。また、塾長の話を聞くときは、誰に言われるでもなく、きちんと正座して聞いていた。
2日間といった短い期間であったが、参加者全員が、厳しい中でもお互いが打ち解け、人種や宗教、国籍に関係なく世界中の人が調和の方向に向かって行けるだろうといった希望を得た稽古であった。



第4回 宇城空手シアトルセミナー 記念写真


■セミナー終了後
セミナー終了後、宇城塾長は アクションスター、ブルース・リーのお墓を訪ねた。


左がブルース・リーの墓。その右は、息子、ブランド・リーの墓


墓碑には、ブルースリーが創始した截拳道(ジークンドー)の理念が刻まれていた。
「以無限為有限 以無法為有法」(無法を以って有法となし、無限を以って有限となす)
「限界や形式にとらわれず、無限であれ」というメッセージは、まさに宇城先生の「ゼロと無限」に通じるものであった。


截拳道の理念が刻まれていた墓碑


東京実践塾 永田 清

第4回 宇城空手シアトルセミナー感想文はこちらへ

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