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宇城塾長による高校剣道部員特別指導


去る2021年7月30日、愛知県豊明市の星城高校剣道部50名を対象に、宇城憲治塾長による特別実践講習会が開催されました(於:名古屋市中村スポーツセンター柔剣道場)。この講習会は宇城道塾名古屋クラスの塾生である上山敏広氏(星城高校教諭・剣道部顧問)が、自ら師事する宇城塾長の気の指導を剣道部員たちに体験してもらい、それぞれの潜在力に気づくことで自己成長へつなげてほしいと願い、塾長の許可を得て開催されたものです。





 星城高校剣道部は、今年5月に行なわれた全国高校剣道大会予選で男子個人で優勝と準優勝、女子団体優勝、個人は準優勝と優秀な成績をおさめ、8月開催のインターハイには、女子団体と、個人出場枠4名のうち3名に星城高校剣道部員が出場予定です。


 約3時間にわたって行なわれた講習会では、一貫して実践を通した指導が行なわれました。頭では理解できなくても、身体は知っていること。相手を倒そう、相手に勝とうとすることが対立を生み、身体を弱くしてしまうこと。内面のあり方が外面よりもいかに大切であるかなど、体感を通して学んでいきました。

 また「習い、稽古、工夫」の稽古三法の理論と実践指導では、残心をとることや先をとること、蹲踞(そんきょ)の正しい姿勢などが剣の世界でどのように生かせるかなど、具体的指導が展開されました。なお、本講習会には上山氏の働きかけで、大府市教育委員会教育長も見学されました。



姿勢を正し、胡坐にて受講する

「身体は知っている」正しい答えで身体が強くなることを体験

塾長の身体に触れ、内面を感じ取る生徒たち


塾長の“先を取る”スピードを体感する


蹲踞の正しいあり方を実践で学ぶ






 以下に、講習会の様子の写真とともに、生徒さんたちの感想をいくつか紹介いたします。上山氏自身、生徒さんたちの感想を読み、あらためて「部員たちの吸収力に驚いた」と述べています。


 上山氏は、講習会前日までに、生徒さんたちに、「これまでの教えをいったんゼロにして宇城塾長の話をしっかり聞いてほしい。剣道だけでなく、人生において大きな土台となるこの機会を大切にしてほしい」という話をされていたそうです。

 また、講習会後に行なわれた強化練習試合では、「先に間に入り相手が居ついた瞬間に面、あるいは相手が出てきた瞬間に出小手」など、これまでにないようなスピード感ある技が出て勝利し、成果が表われたそうです。また、「稽古後、先生方の剣道具を片付けるという目配りができており、いち早く生徒が、先生方への礼とともにその剣道具を片付けておりました。その変わった姿を見て、とても嬉しかったです」と述べています。


●3年  男子

今回の講習会で「実践」の重要性を学びました。特に驚いた事は、宇城先生の試合に向けて準備体操をせず、正座をして待つと言う姿勢です。これはいつでも相手が来ていいような心身をつくるという日々の集大成のようなもので、毎日は実践の連続であることに気付かされました。故に、自分のあぐらの姿勢が丸くなっていく事や、先生が小手先の剣道かどうかを見抜いた所に、自分の未熟さを痛感しました。今後は自分の内面を磨くだけでなく、行動に移す事を心がけていきたいです。


●3年 男子

今回の宇城先生の講習会を通じて、私は頭で考えて行動するのではなく、身体で感じで行動する事が大切だと言うことを学びました。  剣道はもちろん頭の中で相手がどういったタイプの選手なのか、前半はどう攻めれば相手にプレッシャーを与えられるかなど考える必要があります。しかし頭で考えて試合をするだけではどこかでいつきが出てしまいます。そこで大事だと思うのが宇城先生もおっしゃっていた身体で感じるということです。私はそれを無心で試合をする事が大切だと捉えました。無心の中で放たれる技が相手への一番のプレッシャーになるのだと思います。  今回の講習会で学んだ身体で感じるという事を、宇城先生のおっしゃっていた言葉ひとつひとつを稽古の前に整理してこれからの人生に活かしていきたいと思いました。


●3年 男子

自分は今回の講習会で、これからの人生の価値観が変わったと思います。

 これまでの自分はいつも剣道や勉強、何か物事をする時内面で不安な気持ちや焦りの気持ちなど心の気持ちが整っていないまま行動してしまい、ミスや失敗することが多々ありました。

 しかし、今日その事を講習会にて実際に自分で体感し、先をかけて内面に余裕を作り、広い視野で物事を捉えて、どんなことにも謙虚に取り組んでいく姿勢を持つ事によってよりレベルの高い人間になれるのだと感じました。

 今日学んで実際に体感したことを活かして、日々精進していきたいと思います。


●3年 男子

本日の宇城先生の講義を受けさせていただいて学ばせていただいたことは、外面の強さではなく内面の強さが大事だということを学ばせていただきました。  さまざまな実践の教えの中ですべて外面の力に頼るものではなく内面にある心といった目に見えないエネルギーによって動かされているのだなと実感いたしました。今までの自分の剣道では外面にある力に頼ってしまったり勝ちたいという小手先だけの剣道になってしまっていました。ですが、宇城先生の講義を聞き”勝ちたい”という気持ちが自分自身全体の居付きになってしまっていたのだと気付きました。  これからの稽古では常に先を掛けた稽古をし”勝ちたい”や”負けたくない”と

いった居付きを無くし内面にある力を発揮できるよう稽古に励みたいと思います。  また自分は最上級生として稽古のあり方である、習い、稽古し、工夫するということを頭に入れ三年生として一、二年生により高い次元で教えられるよう努力していきたいと思います。

3年 女子

私は今日の講習会では、剣道のことだけでなく、人生においてたくさんの大切なことを学ばせていただきました。  稽古や試合の中で、どんな打ち方をすればいいのかやどんな技を出せばいいのかというところをよく考えてしまうけれど、それよりもまず内面の気持ちが重要だということが分かりました。打つ前の攻めで「勝ちたい」や「この技を打ってやろう」ではなく、心を無にして蹲踞のところからもう勝負は決まっているとおっしゃっていたので、次の稽古からはこの蹲踞からしっかり気持ちをつくっていくようにしたいです。  また、日頃から挨拶や姿勢などの礼儀をきちんとして、他の人に教え、稽古し、工夫を重ね、常に謙虚な心で生活していきたいと思います。  このような貴重な体験をさせていただいた宇城先生に感謝の気持ちを忘れず、インターハイに向けて頑張っていきたいです。


●3年 女子

今日の講話では、宇城先生から大変次元の高い話が聴くことができました。

私が特に感銘したことは、行こう行こうという気持ちだけでは、居着いてしまう。相手と同じ目線に立つことで、相手を引き出すことができる。というお話しをしていただいたことです。実際に、五人一組で肩を組んで実践した際、最初に力ずくで手を引っ張った際は、最初の一人しか動かなかったのが、相手と同じ目線に立つことで相手を心引き出し、軽い力で引き出すことができました。正直、最初は半信半疑でしたが、実際にやって実践してみることで、気というものの存在を改めて実感することができました。

この経験を今後は剣道に生かしていかなければならないと思いました。

自分は今まで、先鋒として相手より先に前に行くことしかできなかったのですが、インターハイでは今日の経験を生かし、相手を超越できるような戦いをしていきたいです。


●3年 女子

今日は宇城先生からの特別講習会があり、これからの稽古、インターハイに向けて大切なことを学びました。

習うこと、稽古すること、工夫することが大切で、試合で戦う時には勝つ、という気持ちを持つのではなく、気が大切なんだということが分かりました。実践してみると、答えがあっている時には腕が下がらなかったり、正座の姿勢から立つ時に人差し指を回してから立つと力を入れずに立てたりと、不思議だと感じましたが、気が入るとこんなことができるんだと驚きました。また、大人数に対して向かい合った1人が竹刀の剣先の力を手元に持ってくると力を入れずに向かい合っている人を下がらせることもできることに驚きました。

これからの稽古や、インターハイに向けて内部にある気を強く持って、戦う時には脱力して、常に謙虚な姿勢で今日行った貴重な時間を感謝し、忘れることなく稽古していこうと思います。また、稽古以外の私生活でも謙虚な姿勢で生活していこうと思います。


●2年 男子

今回の宇城先生の講習会で私が特に学ばさせていただいたことは、「対立と調和」です。自分の意識を竹刀の剣先から手元に持ってくると、5,6人の列を押すことができる、という体験を通して、「相手を押してやる」という顕在意識そのものが「対立」であり、居付きを生じさせるということを学びました。この経験を、相手との間合いの攻防、相手との「間」、という観点で自分の剣道に活かしていこうと感じました。打ってやろうという意識ではなく、竹刀を構える前から先を掛ける、宇城先生の仰った「戦わずして勝つ」という境地にたどり着くことが私の今後の剣道における目標だと気付かされました。

私は先を読んで行動することがまだまだ至らず、多くの課題があります。今回の講習会で教えていただいたことを実践して、人間的に高いレベルに成長していきたいです。

頭で考えるのではなく、身体で学ぶことを思ってこれからの稽古に取り組んでいきたいと思います。


●2年 男子

 今回の講習会を通じて、外面だけにとらわれず内面に目を向けることが大切だと言うことがよく理解できました。外面だけで勝とうすると、打ちたいという想いが体に出てしまい相手の心を動かすことができませんでした。ですが、内面から攻めることで相手は居着き、心を動かすことができました。  また、礼儀作法の大切さを改めて実感しました。「蹲踞をした時点で勝負は決まっている」という教えを最初は疑っていましたが実際に実演してみると、礼儀を意識するだけで自信がつき、強気で攻めることができました。

 これらの教えをこれからの練習で実践し、試合で使えるようにしていきたいと思います。


2年 男子

私は宇城先生の講習会を受け感じたことは、宇城先生は24時間ずっと稽古だとおっしゃっており、それが上山先生の言っている道場以外のところで人は強くなるということと重なっているように思い、日頃から道場の中だけ挨拶をしたり道場の中だけを掃除して綺麗にするのではなく、道場以外のところでも近所の人への挨拶や帰り道にゴミが落ちていたら拾うなどの行動をしていきたいと思いました。 そして宇城先生から学んだことを明日の練習から実践していきたいと思います。


●2年 女子

今日の講話を聞いて、たくさんのことを学ぶことが出来ました。

新しいりんご9個と腐ったりんご1個か、腐ったりんご9個と新しいりんご1個は、同じ10個でもみんな新しいりんご9個と腐ったりんご1個をとる。それは外面と内面でも同じ話であり、内面が9、外面が1の方がいいというお話がすごくわかりやすかったです。 今まで、私は、相手に気持ちで勝てと言われた時に勝ちたいということばかり強く思っていましたが、それは、打ちたいという気持ちに繋がってしまうと思いました。 打ちたい、勝ちたい、というよりもまず、気持ちをゼロ化させてることが大切だということを学びました。  今の私には、外面的な技術はもちろん、内面を鍛える必要があるなと思いました。 一気にやることは難しいと思うけど、あいさつなどは、内面にも繋がると思うので、まずは、基本的なことを、しっかりとできるようにしたいです。


●2年 女子

今日、宇城先生からして頂いたお話の中で1番印象に残った事は残心のお話です。自分は、残心と聞いて、剣道の中で教えて頂いている、技を出した後の残心のイメージしかありませんでした。ですが、宇城先生の残心のお話を聞いて、残心は技を出した後だけでなく、技を出す前からあるという事を知ることが出来ました。自分は、剣道の中でも技を出した後の残心でさえ十分に出来ていない状態です。ですが、明日からの稽古では、今日教えて頂いた、技を出す前からの残心を意識して常に自分の奥底に眠る魂を出して稽古していきたいと思いました。

●2年 女子

今日の講習会を通して今までの考え方が変わりました。 今までは一本とりたい、勝ちたいと言う気持ちで試合に臨んでいましたが、その時点で実は負けていたのではないかなと今日気づきました。そう考えている時点で居つきが生まれ自分の力を発揮することができないと分かりました。  日々の稽古や練習試合の中で調子がいい日と悪い日がありますが宇城先生の教えを守ればそういった調子の波がなくなると思いました。教えていただいたあと数日続けるのは二流ですが、忘れるたびに意識しなおし続けていける一流でありたいと思いました。 ただ聞くだけでは理解しづらいことも実際に体験してみることでより分かりやすく、楽しく学ぶことが出来ました。

インターハイ前にこの講習会に参加することが出来てよかったです。

●2年 女子

今日の講習会を通じて、剣道で勝つためには技術だけではなく内面の気持ちが大切だということを学ばせていただきました。勝ちたいだけでは外面だけで勝とうとしていて相手の心を動かせませんが、心を無にして内面から攻めたら相手は居着き心を動かすことができました。 また、「謙虚」の大切さを学ばせていただきました。私も日頃から謙虚な気持ちを忘れずに生活していきたいです。そうすれば自然と「勝ち」はついてくると思います。

●1年 男子

本日はとても貴重な体験をさせていただき、ありがとうございます。 宇城先生が仰っていたように、今の自分は勝とう勝とうと、小手先の剣道をしていました。しかし、宇城先生が仰った「相手に勝つのではなく、人生で勝つ」という言葉を聞いた時、今まで自分が何を目的に剣道をしていたのかを振り返ることができ、もう一度、原点からやり直し、相手に“気”で勝つことを意識して稽古に取り組もうと思いました。 剣道は殺し合いの延長線上にあり、竹刀は刀の代わりであると考えると、本来あるべき剣道の姿、稽古の姿、というのが見えてくるように思いました。 常に謙虚で誰からも愛される剣道家になれるよう、精進して参ります。


●1年 男子

今日、宇城先生から聞かせて頂いたり、実践したりした事はどれも普段聞けるような事ではなく、聞いていて驚きの連続でした。教えて頂いたことをすぐに実践させて下さり、体で実際に体験することで出来て、嬉しかったです。

また、「先」のことについて教えていただき、普段の稽古や日常生活では得ることが出来ないことが得られた気がします。「先」について教えていただいた事の中で一番驚いた事があります。それは、蹲踞からの立ち上がりで先をかけていた事です。先輩方や宇城先生が実践しているのを見て、これを実際にできるようになりたいと強く思いました。先輩方の実践の後に自分でやってみると、これも完璧では無く何となくですが理解し出来た気がします。そして、研究を重ねて、宇城先生のように「先」をかけれるようになりたいです。

これから、今日宇城先生から学んだ「先」や「気」の事を頭に入れながら稽古に励んだり、日常生活を過ごしていきたいです。そして、謙虚な心を持ち剣道の技術や日常生活の質を上げられるようにしたいです。


●1年 女子

今日の宇城先生の講習会で自分が学んだことは、「人間性」です。剣道で勝つためには実力はもちろんですが、謙虚な心や自信を持つなどの内面の気持ちが大切ということを学ぶことができました。自分は試合をしている時、大概は「勝たなきゃ」と、勝つことしか考えていません。そうではなく、常日頃からの内面の気持ちも大事にし、初めの礼式から終わりの礼式まできちんとこなし、戦いに望みたいと強く思いました。 本当にこのような貴重な体験をさせていただいたことに感謝をし、これからの稽古や試合で生かしていこうと思います。


●1年 女子

今回の講習会で、「先のとり方」についての内容が1番印象に残っています。普段の稽古や試合で、相手に先を取られて負けてしまったりすることがよくあります。お話を聞いている中で、改めて気の大切さを知りました。自分の剣に自信があまりなく、試合前などには後ろ向きなことを考えてしまい、足が止まって自分の技を出し切れずに終わってしまいます。しかし、強い気を持ちつつ、その気をそのまま表に出すのではなく、どこに溜めるべきか考えていくことが大切だとわかりました。また、良い人間性を築くことも必要だと知りました。たとえ小さい事でも一つ一つ真剣に向き合い、受け入れてを繰り返すなどして、内面の部分から鍛えて行きたいと思います。それから、実践で体験した事を活かして、自信を少しでも持ち、技を捨てきって迫力のある剣道を磨いていきたなと思います。


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