令和3年 創心館 鏡開き式・初稽古が行なわれました
令和3年1月10日(日)11日(月祝)、 総本部道場にて創心館鏡開き及び初稽古が行なわれました。
鏡開き式に先立ち、10日15時半より、国生み神話が伝わる淡路島の伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)にて、創心館の無病息災とさらなる発展を願って新年のご祈祷と、宇城館長による参拝が行なわれました。
宇城館長ご夫妻、榎本師範ご家族、宇城拓治師範、そして創心館空手実践塾幹部と各支部を代表する支部長ら23名が参列しました。
伊弉諾神宮 国生みをした伊弉諾尊と伊弉冉尊を祭る日本最古の宮として知られる
笛や太鼓に合わせ、二人の巫女による神楽舞(祈祷の舞)
創心館を代表し宇城館長による玉串奉奠が行なわれる
本殿の館長に合わせ、塾生は拝殿にて参拝
鏡開き式
参拝後、令和3年 創心館 総本部淡路道場 鏡開き並びに新年式が行なわれました。
まず最初に宇城館長より、今年一年のすべての塾生の活躍を祈念し、次のような新年のご挨拶を賜りました。要約してお伝えします。
館長による本年の指針
コロナ過がおさまらない状況のなか、今年はどうあるべきかについて一人ひとりが真剣に考えていかねばなりません。
まず今年深く心にとめてほしいことは、「稽古照今」というあり方です。それは古きに学び、それを今に活かす、という奈良時代の古事記にある言葉です。また、江戸時代の剣聖 山岡鉄舟は「述べて作らず、古に学ぶ」という言葉を残しています。今の科学のあり方のように、仮説を立て、それを実証していくあり方は、いくら新しい発見をしたと言っても、そしてそれがノーベル賞で表彰されたとしても、無から誕生した宇宙は最初から「先にありき」なものとして、未知で神秘なものです。
また我々人間にしても、ホモサピエンスの時代から、すなわち280万年前から、お母さんの胎内で1ミリにも満たない受精卵から細胞分裂を繰り返しながら10ヵ月後に一個体の「人」として生まれてくる仕組みは現在に至るまで何一つ変わっていません。まさに不変の真理です。
ですから、すでにあるその神秘なる真理を踏まえて、「調べる」という今の科学のあり方だけではなく、その深さを追求していくという姿勢を持つことが大切です。
そうすれば、新しい発見にしても知識にしても、それが単なるばらばらの知識とならず、点と点がつながって線になる。そのあり方から、人間とは何かが見え、我々の未来がどうあるべきかも見えてくると言えます。
これまで以上に、稽古においては「稽古照今」という姿勢が大切になってきます。すなわち「古に学びその叡智を今に活かす」というあり方です。
たとえばサンチンの型ひとつにしても、今のコロナ過において実用的なところがたくさんあります。日々指導している呼吸法と型の事理一致によって身体に気が流れ、内面の気圧を高めることができ、免疫力の高い身体をつくることができるのです。
稽古は「できるか、できないか」が、そのあり方であり、すべて自分自身で検証し、できるようになるという積み重ねがステップアップの稽古になります。それは同時に日々の生き方に活きてくるあり方でもあります。
そのことが稽古を通じてできてくれば、あらゆることに対して行動していく勇気につながっていくのです。今の状況であれば、コロナ禍にどう向き合い、どう乗り越えていくかという生き方につながっていきます。今年の創心館においては、塾生のみなさんには、「稽古照今」の覚悟を持って共に稽古していもらいたいと思います。
初稽古
翌日11日には、総本部 淡路道場にて、初稽古が行なわれました。
前日の館長のメッセージの通り「できるか、できないか」をごまかしなく試し、いつやっても、誰がやってもできる、すなわち「実証性、再現性、普遍性」をベースに、まさに「師」こそが率先垂範として実践していく「稽古照今」の稽古が進められていきました。
この日は、まず館長により、相手と対立せず調和するという、武術空手にとって最も大事な基本が、「呼吸法」と「サンチンの型」を中心に示されていきました。
サンチンの腕受けを掴ませ、呼吸で調和させる ▽
一度調和されると、さらに塾生4人が支えても動かされてしまう
【動画】 組手における調和と無力化の検証
【動画】
呼吸による調和② 両手にぶら下がる大勢を無力化する
これまでいくども指導を受けてきた呼吸やサンチンの型。 しかし今回の稽古では、そこにあり得ないほどの奥深さが眠っていること、 どれだけの多くの学びの世界があるかが示されました。
それは、宇城館長が「稽古照今」 ―― 古に学び叡智を今に活かす実践をされてきたからこそ。
変化成長は日々の実践なしにはあり得ない。
今回の稽古は、塾生一人ひとりに、 そこに向かうあらたなエネルギーとともに、このコロナ禍においても不安におびえることなく、希望と勇気をもって行動する力を与えるものでした。
サンチンの型
2021年(令和3) 創心館総本部 淡路道場 初稽古会記念写真
感想文
●東京 会社役員 T.K
淡路島での鏡開き、創心館総本部道場での初稽古では、大変お世話になりまして有難うございました。
冒頭のお話しに、古事記の序文にある「稽古照今」のお話を聞かせて頂きました。古(いにしえ)を稽(かんが)え、今を照らす。という稽古や日常に対する姿勢と謙虚な心で修業する意義を示していただきました。また古事記にある高千穂神社、天岩戸神社、鵜戸神宮のお話はとても興味深く、そこで剣聖の愛洲移香斎が参籠して霊験により開眼し、陰流を開いたということ、愛洲移香斎から上泉信綱、柳生石舟斎と受け継がれていったこと、先生が「すべてがつながっている」とお話されたように、古の達人たちが築き伝承されてきたものを同じ宮崎でお生まれになった宇城先生が再現され、さらに「気」による前人未踏の境地に達せられたこと、そして自分達はその先生から直接ご指導をいただいているというご縁をもっと重く受け止め、謙虚にならなければと思います。
呼吸のご指導でも、武術の呼吸は何段階もの高く深い次元があり、自分達はその最初の段階にも達していないということ、サンチンの型には、その呼吸を習得するための無限の要素が含まれているという事を改めて教わりました。ペットボトルに例えたお話と実例では、より具体的な正しい呼吸がもたらす変化を体感する事が出来ました。今までどうすれば重さや身体内面のスピードを高めていけるのかが漠然としていたのですが、今回のペットボトルでの呼吸のご指導は、自分にとっても重要なヒントや道標をいただいたと感じています。
このコロナ禍で変われない様な人は決して生き延びていけない、という先生のお話を胸に、とにかく日々変化していくという事をこころがけたいです。
どうかこれからもご指導賜りますよう、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
●福島 団体職員 K.U
宇城先生、この度は新年鏡開き並びに稽古始めにてご指導のほど誠にありがとうございました。
コロナ禍の中、宇城先生のご指導でとてもエネルギーをいただきました。ペットボトルにて呼吸、身体の仕組みと変化を体験させていただき、それがコロナ時代に生きる大きな教えとなりました。自分の身を守るという武の教えは人間本来が持つ身体の強さを復活させるのと同時に、どのようなことが起きても時代が変化しても対応し生き抜く道を見つけ出す力をもたらしてくれるものであることを強く思いました。空手を通して何を学ぶのか、見つめなおすのかということを改めて自分に深く問うていきたいと思います。そして、自分の中にある根 どのような根があるのか空手を通じて掘り起こしてまいりたいと思います。
今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。
●福島 大学職員 R.T
今年も淡路道場での新年鏡開きに参加させていただきまして、誠にありがとうございました。
今回もまた新たなエネルギーをいただき、この一年を新たな気持ちで始められるような気がしております。
世界がどのような様を見せていても、また自分の人生に何が起こってきても、先生の気と空手で解けないことはなく、どんな時でも原点に帰ること、また私たちにはそのように帰れるものがあることを改めて教えていただいたように思います。
呼吸一つ、腕受け一つ、立つこと一つ、基本中の基本であることさえ満足にできないことを反省しましたが、淡路道場でしかできない少人数での貴重な稽古に参加させていただき、今、自分がすべきこと、鍛えなければならないところがより明確になりました。
今回教えていただいたことを無駄にしないよう鍛錬していきます。
今回も素晴らしいご指導をいただきまして本当にありがとうございました。
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