創心館宇城空手 ハンガリー準支部 稽古会レポート
パンデミックで長いことロックダウンにあった私や私の空手仲間は、ハンガリーやスロバキアなど様々な場所で直接会って武術空手を学ぶための稽古会を企画し、人々に声がけをするようになりました。合わせて初めての人にも武術空手の基本を伝えたいと考えています。
稽古会を開催するに当たり、日本からハンガリーに戻ってきているアニコ・バーバラさんを招いて、1時間、我々の心が身体にどのような影響を与えるかについて、道塾のセッションをベースに話してもらうことにしました。ありがたいことに快諾してもらい、「助け合い」「ゴミ拾い」「席を譲る」「お辞儀」など、参加者が違いを感じられるような講習と検証を行いました。
■第1回稽古会 4月30日
場所:ブダペスト(ハンガリー)
稽古はバーバラさんの1時間の講習からスタートしました。参加者は身体の変化に一様に驚いていました。それから宇城式呼吸法、創心館の基本、午後はサンチンと分解に入りました。最後はナイファンチンの型を一つ一つ丁寧に行いました。
■第2回稽古会 5月7日
場所:ケシェグファルバ(スロバキア)
初回同様、バーバラさんの1時間の講習からスタートしました。 フルコン空手や伝統派の高段者も参加しており彼らには大変興味深いものでした。呼吸や相手に寄り添うことがこれほどまで大きな変化をもたらすことに驚き、自分達の道場でも子供達に伝えることができると言った感想がありました。この日は型や分解の稽古をさらに行い、互いに一触を大切にする稽古を行いました。稽古後は懇親会も行い、久しぶりの再会を喜び合うことができました。
■第3回稽古会 5月21日
場所:デレシケ(ハンガリー)
この会は特別にスイスでハンガリー人として仕事をしてきたヴィクトール・レターさん(フルコン空手弐段)も招きました。彼は3年間の海外生活の後、この稽古会のために帰国しました。パンデミックの間は、定期的にオンラインでもやり取りをしていました。
今回は私が主導して1・2回目と同様の検証から始めました。稽古会で指導する度に参加者の大きな喜びに驚かされます。シンプルなことですが、大きなインパクトがあり、学んだ翌日から日常生活に活かして実践していくことができます。その後、創心館の基本と呼吸法、一つ一つをカバーしました。午後はサンチンの基本に多くの時間を割き、ナイファンチンはあまりできませんでした。
今回の参加者は様々な流派の高段者であり、かつ武術空手の精神と実践に熱意をもって受け入れてくれる古くからの仲間で、直接再会できたことは私にとって大きな喜びとなりました。3回の稽古会の全てにおいて、初めての参加者がおり、彼らからも引き続き機会が欲しい旨フィードバックがありました。
今後、ブダペストだけでなく、近郊の町や地方の都市でも招待次第で指導をする機会が増えていくのではと思います。一番興味深い経験は、私自身が今回の稽古会の過程で最も多くの学びがあったということです。招待してくれた仲間の皆に感謝すると共に、武術空手という新しく長い道のりを共にスタートさせてくれることを信じています。
6月10-12日にかけて「ハンガリーの海」と呼ばれるバラトン湖畔にて、夏の合宿準備を現在進めています。ヨーロッパ支部長のマイケル・ケーテ氏と、イェンス氏が私の招待を快諾し、指導してくれることになりとてもうれしく思っています。
また宇城先生がヨーロッパに来られ、一緒に稽古をし、型や分解、貴重な歴史的背景などをご指導いただける機会がくるのを楽しみにしています。
ハンガリー準支部長 フェレンツ・フリス
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