第1回宇城杯レポート
2024年10月6日(日)第1回宇城杯がエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)にて開催された。
創心館宇城空手大阪・東京・東海・福岡支部で学ぶ子ども達と父兄が参加し、各支部の塾生・道塾生の見学者を含め総勢223名の関係者が集った。
開催に先立ち宇城館長は「創心館は心を創る場であるとともに、各人の潜在能力を引き出す場でもあります。世界で活躍できる人材を育成していきたいと、14年前に榎本師範が子ども達を指導し始めたのがきっかけです。今日は、型と分解組手を通して日頃の成果を見せてください。」と述べた。
出場者は段・級に応じて7組(総勢25名)に分かれ、木刀、三本移動、型の順に演武し、休憩を挟んで分解組手を行った。
子どもの演武終了後、榎本麻子師範・宇城拓治師範による模範演武が行われた。
表彰式では、最優秀賞1名、優秀賞2名、特別賞3名が選ばれ、宇城館長は「子どもたちは、伸び伸びした素直な空手で、瞬発力があってとても良く、もっと多くの賞があれば、たくさんの人に賞を与えたかった。」と述べ、子どもたちみんなの演武が素晴らしかったことを講評した。 一方で、「子どもの潜在能力に気付けない大人が、子どもを教育すると、結果その子どもが大人になると、我が出てダメになる。」とも言われ、競争させる教育ではなく、調和する教育が大事であると話し演武会が終了した。
演武会終了後、宇城館長は「やって見せる場がないから子どもが気づかない。」と述べ、参加者と子どもを交えた講習会を行った。大勢の大人が横に並び、その列を「子どもは押せるが大人は押せない」という実証から始まり、さらに人数を増やした大人の集団に子どもたちがみんなで突きをすることで、その集団が崩れるという検証を行った。
宇城館長は子ども達自身が気のエネルギーがある事を身体を通じて気づかせた。
「子どもと同じように突きをしても大人は永遠にできない。そのできない大人が、子どもの最初の指導者であり、その親が気付かなければ子どもから気のエネルギーを引き出せず、子どもの可能性を潰してしまう。従って親は今までのやり方を変えるために勉強しなければならない。そういう力を子どもたちから引き出してあげることで、エネルギーを与えることになり、怖さや怯えを無くし、子どもたちは安心する。」と実践を踏まえ、指導者としての責任の重要性を述べた。
日頃の稽古の成果を披露し、互いに刺激し合う場として開催された第1回宇城杯は、子ども自らが自分自身の成長を願うきっかけに、また大人にとっても学ぶ姿勢の大切さに気づく素晴らしい大会となった。
父兄、子どもそして塾生各々が新たな課題を胸に会場を後にした。
感想文
■M.E 大阪17歳
まず初めに、第一回宇城杯を開催してくださり、誠に感謝しています。たくさんの方々が宇城杯を開催するにあたって関わってくださったと思います。宇城杯があったからこその「学び」や「気づき」がありました。「宇城杯」という素晴らしい環境を創ってくださり、本当にありがとうございました。
宇城杯に参加させていただき、私自身の課題を見つけることができました。それは、稽古不足です。宇城杯の前日の朝からすでに緊張しており、ウォーミングアップの際にはドキドキで心臓が飛び出るかと思いました。しかしウォーミングアップが終わったときには緊張もほぐれ、いい感じに自分に集中することができました。一つ目の再発見した課題は、「声が浮いている」と言うことです。ウォーミングアップの際、大勢の人の前で声を出すときに私の号令をする声が浮いていて、軽く、それがみんなの稽古のスピードを速めてしまったと感じています。もし私の号令が深く、浮いていない号令だったらみんなのことをさらにまとめることができ、さらに一体感が出ていてのではないかと思います。それに比べ、弟のSの号令はきちんと声が落ちていて、深いと感じました。普段の稽古で榎本師範から「最後に気を抜く癖がある」と言われていたのですが、意識して直そうとしてもなかなか直すことのできない自分がいました。声が浮いてしまうのも最後に気を抜いてしまう自分がいるからだと改めて感じました。意識しても直らないと言うことはもうすでに気を抜いてしまう癖が自分についてしまっている証拠です。身についていると言うことは空手の時だけではなく普段の生活で最後に気を緩めてしまうということだと思うので、普段の生活だけではなく、学校生活でも最後まで気を抜かず、物事を達成する事のできる自分へと変化することを、心に決めました。
ウォーミングアップで自分に集中することができたと思っていましたが、いざ、本番で自分の番が来ると、今までで一番の緊張感を感じました。緊張のせいで剣はきちんと決めることができず、剣先がふわふわと浮いてしまいました。剣の組みたちでは、今まで他の人が行っているのを見てきたのにもかかわらず、攻撃が自分からだということを忘れ、切り返しを先に行ってしまいました。ここでも号令を無視し、気を抜いている自分がいました。ここまで緊張しすぎている原因は、圧倒的な稽古不足です。稽古をきちんと行っていれば、宇城杯では普段の自分を見せるだけだと自分に言い聞かせ、緊張よりも楽しみが勝っていたはずです。普段の生活でも緊張しやすく、上がりやすい性格です。それも準備不足が原因なのだと改めて気づかされました。準備をたくさんし、その成果を発揮する。そのことに楽しみを感じることのできる自分でありたいと考えました。したがって、これからは本番の準備段階から細かいことにも真剣に向き合い、本番で自分の力を本領発揮できる自分に変化したいと思います。
以上のように課題をたくさん見つける中、宇城杯では楽しみもありました。それは他の地域でも宇城空手を稽古している人々との交流です。特にA.Sさんとは本当に久しぶりに再会し、うれしかったと共に刺激をもらいました。しばらく会っていないうちにAさんの空手は大変変化しており、相当自分で稽古をしたのだと考えました。その瞬間にも、自分の稽古不足をひしひしと感じました。また、普段大阪で稽古をしている人たち以外の子供の空手を見ることもでき、それぞれの空手に個性が出ており、全員が同じではなかったことにおもしろさを感じました。榎本師範が普段おっしゃっている、「空手に自分を出す」とはこのことかと学びました。
宇城杯があったからこそ気づくことのできた課題や学びがあり、そこから絞り出した自分の改善点と、理想像を再構築することもできました。これからの稽古では、また違った私の空手をお見せするために難しいことにも挑戦しさらに成長したいと思います。ありがとうございました。
■S.E 大阪15歳
今回の宇城杯では、皆さんの前で自分の特徴を空手の中で表現して見てもらうという貴重な経験をさせてもらえて感謝しています。日頃の、榎本師範の指導のおかげで優秀賞を取れてすごくうれしいです。
いつも榎本師範は「周りの人より一段飛び抜けろ」と言っていて、「そしたら、すべての余裕ができる」とも言っていました。ですが今回の宇城杯では、はっきり言って自分のパフォーマンスは、ずば抜けてはいなくて、中途半端だったなと感じました。緊張して、いつもはないはずなのにウォーミングアップのときに足先が浮いたりしていました。
また、そこからの視点で行くと特別賞のS.Hさんの瞬発力にはすごく勢いがあって、昔あったときから見違えるほど変わっていて、すごく感銘を受けました。そこから、宇城空手が変わると日常生活がかわって、日常生活が変わると宇城空手もかわるというのを実感しました。なので、僕も日常生活から変えないと、いけないなと改めて思いました。先日、北朝鮮は韓国に通じる道を破壊しました。台湾も中国の海域付近で軍事演習を行いました。僕がやられた方の国だったら宣戦布告ぐらいの挑発になると思い、昔から先生には「台湾有事は日本有事」と言われていたり、日本に一番近い朝鮮半島で一悶着があったりなど日本が緊迫状態になってきている状態であることを知りました。それなのに、日本のニュースはそれに対して、5分くらいしか設けず、ここまで、緩んできていることも知りました。=日本人には平和ぼけのせいでエネルギーがなくなってきていることを重々感じました。
また、宇城先生の宇城杯後の指導の時に一人(先生)から渦を巻いていって気が伝わり、動かしているのをそれが初めてじゃないけど見ました。それは、一人のエネルギーは人から人を通して伝わっていき、逆に一人でも途切れるとその後ろは一気に失速し止まるということを改めて見て、最近(ニュースを知った後)、一人一人が戦争に対する気持ちを持つことで、変えられるという希望がここにはあるんだ!と思いました。今回の宇城杯はいつもの審査よりもより難しく、より学びになりました。
本当にこの貴重な時間と、賞を長い期間かけて作り上げてもらいそれを手にしたことに感謝と誇りに思いました。ありがとうございました。
■H.T 大阪15歳
今回、第一回宇城杯に参加させていただきました。
当日に至るまでの毎週の稽古では、基本や型に自分のクセや余計な動きがないか見つめ直すことから始めました。中でもパッサイは組手の分野でも選択していたので、細かいところを一つ一つ丁寧に見直し、改善しました。本番ではそこを何度か思い出し自分の番に備えました。いざ真ん中で型をするとなるとやはり緊張し、最初の方はとにかく型をこなすのに必死でしたが、後半になるにつれ少しずつ意識してできるようになりました。
そして分解組手では、事前の稽古で榎本先生が仰っていた組手をする前に小さく木刀の振りをして呼吸と身体を整えそのまま分解組手を行うという方法を実践しました。本番でもそれをすることで緊張していたのが少し緩和され、自分が上手くできる正しい間と呼吸を保ち、稽古の通りにできたと思います。特に自分はパッサイの分解の回し取り投げを苦手としていたので、その方法にすごく助けられました。
宇城杯は地域関係なく少年部が一度に集まり稽古の成果を発揮できる唯一の機会なので、他の子たちを見て学ぶことが多くあり、楽しいと同時にすごく良い経験になりました。大人子供関係なく挨拶していただいたり、終わったあとに優しく話しかけてくださったりする方も多くてとても嬉しかったです。やはり愛は強さであり、宇城空手は人格を創るのだなと改めて認識させられました。
結果的に優秀賞をいただき、今までの稽古の成果が出せたように思えてとても嬉しかったです。しかし、本番での課題はまだ多くあると感じました。緊張して型と呼吸が合わなかったり、木刀では剣先が軽くなってしまい最初は重みが出せませんでした。そのような反省点を考えている最中に師範二人の模範演武を見させていただき、感動しました。自分もあのような型ができるようになりたい、あんな風に突きに重みを持たせたいなど、今よりもっと上手くなりたいという思いから、改めて日々の稽古を頑張る意味を見出せました。12月の審査会までにさらに精進し、二段へ昇段できるよう努力していきます。
■K.T 大阪15歳
10月6日に開催された宇城杯は、僕は緊張よりも楽しみの気持ちが強かったです。会場についた時は、体育館の大きさに気持ちが昂ってきました。それと同時に少し緊張感も感じていました。でも、受付に行くといつも一緒に稽古している大人の方がいたので安心しました。アップの時には、前2人の掛け声がよくて、自分の練習に集中できました。そのおかげで、本番でも緊張せずに普段の道場をイメージして演武ができた。
師範模範演武では圧倒されました。その場の雰囲気を一つにし、見る人の目を引くようなすばらしい演武で、心をうごかされました。宇城先生のご指導では、エネルギーの大きさや力を改めて実感しました。宇城空手は私生活がでて、嘘をつかない。私生活が良くなると、空手も良くなる。ということを改めて感じました。このような貴重な体験をさせていただき本当にありがとうございました。
■K.N 東京 15歳
宇城杯の本番では、審査でも感じたことのない今までにない緊張があり、自分でも驚きました。次回までに緊張しないぐらいまで稽古しようと思いました。三本移動の組手のときに、相手の中心に突きが出来なかったこと、受けの時と攻撃の時どちらも体が浮いてしまったことが反省点で、その点を中心に稽古していきたいです。型では、パッサイとセイサンは集中して演武できたと思っています。サンチンは、集中してできたものの、いただいた写真を見ると動きに力が入っていて固いところがあるので、そこを改善したいです。分解組手では、焦ってしまい投げや取り裏拳で動きが雑になってしまいました。練習していたことを練習していた通りにできるようになるために、毎回本番だと思って稽古していきたいです。
最後の宇城先生のご指導では、今回私は初めていつも大人の方たちが体感されていることを体験しました。いつもは、危ないなどの理由で見ているだけで、ずっとどんな感じなんだろうとか、そんなに違うんだろうかと思っていたのですが、いざ自分が体感したら一気に景色が変わって本当に驚きました。いつも私が見ていた様子と自分が全く同じ動きをしていると思いました。その感じたカが宇城空手にはあるのだとはっきり感じられたので、体で感じられてよかったです。
私は賞をとることができなかったですが、賞を取ることを目標にせず、審査や自分のために稽古を重ねて、その結果としていつか賞をとれるまでになれたらいいなと考えています。ただ、賞を取ることが目的ではなかったと言い訳をするのではなく、賞をとるまでに稽古できていなかったのは事実なので、その悔しさは絶対に忘れないで今後も稽古していきたいです。
■A.N 東京 15歳
私は今回宇城杯に出場して色んな人の色んな型や分解を見ることができてとても良い勉強になりました。 今まで自分の所属する道場の人の空手しか直接見たことがなかったのでとても充実した時間が過ごせました。
中でも最優秀賞を受賞されていたM.Eさんの型はとても綺麗で見習わなければいけないところばかりでした。他にも、綺麗な型をしている人がたくさんいて、自分もこうなりたいと改めて感じました。
分解では色々な人のを見ていて、みんな瞬発力があってすごいなと思いました。私は分解がまだまだ苦手なので、今回見て学んだことを稽古に活かして、自分の空手をもっと良いものにしていきたいです。
今回、私は特別賞という賞を頂きありがとうございました。とても嬉しかったです。これに満足せず、これからもたくさん稽古をしていきたいと思います。
本当にありがとうございました。
■F.W 三重16歳
はじめにMさんとSさんの号令で稽古を行いました。大阪実践塾の生徒は皆動きの瞬発力が凄くて、追いつくのに必死でした。それでも型で全員の動きがそろった時の一体感は一人では感じることができないもので、合同稽古の良さはそこにあると感じました。
本番では緊張して全くできませんでした。特に木刀は身体が固まってしまって思うように振れませんでした。まだ木刀に対する苦手意識があるためだと思います。緊張で普段通りに動くことができずとても悔しかったので、これからの稽古では、より回数を重ねてどこでも普段通りの演武ができるようにしたいです。
人の演武を見て、皆さん姿勢がとても綺麗だと思いました。私も見習わなくてはと思いました。
師範方の模範演武を見て、迫力に驚きました。動きの一つ一つに重さがあるのに少しもぶれていなくて、見ていると元気がもらえました。そういう空手がいつか私にもできるようになりたいです。
■K.T 自営業 神奈川
この度は第1回宇城杯を開催して頂きありがとうございました。
宇城杯開催の後日、ノーベル賞の発表があり、ノーベル物理学賞の基礎を築いたニ名が受賞をしました。ニ名ともAIにおける今後の社会と人類において深刻なリスクへの警鐘を鳴らしています。そのうちの一人であるジェフリーヒントン氏はグーグルに勤務しておりましたが、近年警鐘を鳴らすとともにグーグルを去っております。また専門家の1000人以上が、開発の一時停止を求めており、中にはイーロン・マスク氏、アップル共同創業者のスティーブ-ウェズニアック氏がいます。
今までにない技術を得た際は、同等に制御をする技術、心が必要であることは今までも言われています。200年以上前に起こった産業革命は、人力を機械の動力へと変換をしました。同じくらいの革命がこれから起こってくるのだと思います。頭脳をAlへと変換していくことになりますが、制御できるのは頭脳よりも早い身体ではないかと思います。
宇城杯にて、分解組手の相手をさせて頂きましたが、立ち会うことで体感した子供のスピードは傍から見てきたものとは違うものでした。理屈を並べればいくらでも説明が出て来ますが、ただただ癖のない素直さからくる速さ。それに尽きます。人間には未来への制御が効く素地が備わっている。それを目に見える検証という形で伝えることが出来、備わっている素地の開発を出来るのは宇城空手しかない。あらためて思う次第であり、今後起こって来る技術革命以上のことを学んでいるということにもあらためて実感した次第です。
宇城先生、いつもご指導ありがとうございます。また、素晴しい学びの機会を作って下さった榎本師範、拓治師範、開催において尽力された大阪実践塾の皆様にもお礼を申し上げます。ありがとうございました。
■I.K 自営業 東京
第一回宇城杯の開催、ありがとうございました。
始まる前の稽古の様子から、子供たちの目を見張るほどのその柔らかさ、瞬発力に感動しました。自然な動きのなかの伸びのある力強さ、しかしそれはカではない。まさにエネルギーがそのまま子供たちから出ているのがよくわかりました。
一人ひとりの様子も、ファインダー越しですが、しつかりと見ることができました。身体全体からエネルギーがほとばしるなかでの、さらに真剣そのものの表情、目力。この身体の真剣さがあれば、世の中の様々なことを乗り切っていける。この真剣な身体こそが常に心をひつばり、子供たちのこれからの成長をぶれずに守ってくれる、そう確信しました。
大会後、宇城先生は子供たちに、目に見えずとも、自分たちの身心にとんでもないエネルギーがあることを、基本突きで大人のスクラムを触れずに崩すという検証で、証明してくださいました。子供たちにこのような実証を見せる、経験させることの大切さ、意味が今はよくわかります。世の中の常識に染まる前に、それが当たり前であること、それが自然であることを体験すること、それがどんなに大切なことであるか。その結果を、Mさんが、一列にならんだ大人の列を先生と同じように崩すことで、証明してくださいました。
身体にまったく迷いがなく、当たり前のように崩している様は、「できる」という身体が宇城空手で守られ、壊されずにいることの証明だと思いました。現在のスポーツにまつわる様々な常識に、心も身体も染まり切ってしまった私たち大人は、そのことに気づかせていただいても、身体は簡単に思うようにならない弊害に苦しみます。しかし、気づきをいただいたことは人生において本当に大きいことです。自分ではたどりつけない気づきだったからです。大人の審査や演武だけでは絶対に感じられない宇城杯は、大切な大人の学びの場だと思います。 宇城先生、榎本師範、拓治師範、大阪実践塾の皆様、宇城杯を開催してくださり、本当に本当にありがとうございました。
■A.K 公務員 千葉
宇城先生、この度は第1回宇城杯を開催して頂き、どうもありがとうございます。
子供(娘)は榎本師範にご指導頂いて間もなく2年になりますが、現在9級でまだ出場資格がないため、今回は親子で見学という形で参加させて頂きました。娘は当初見学席に座っていたところ、演武前の子供稽古に参加するよう榎本師範からお声がけ頂き、喜んで稽古していました。
初めて会う他の支部の方々と一緒に稽古できたことは、娘にとってとても良い刺激になったようでした。娘が宇城杯の会場の空気に触れる機会を作ることができ、本当に良かったと思います。改めて榎本師範にお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。
参加された皆さんの演武を拝見して強く感じたのは、姿勢が真っ直ぐで癖がなく、自然で美しいということです。真っ直ぐな姿勢そのものが人を引き込むエネルギーを作り出しているようでした。本番での個々の演武はもちろん素晴らしかったですが、とくに演武前の全体で稽古の際に、その場にいる全員が一気に動いた時のエネルギーには会場の空気が膨張するようなパワーを感じました。見ているこちらが新しい力を頂きました。
最後の先生の指導の中で、大人8人がスクラムを組み、その横で1列に並んだ子供が基本突きをすることでスクラムを崩すという検証がありました(反対側では大勢の大人がストッパーになり、崩れるのを防いでいる状態です)。私はスクラムの8人中にいましたが、子供の突きのエネルギーの凄さに驚きました。突きを当てているわけではないのですが、1回突く度に全体が動かされるのが分かりました。スクラムを組んでいる我々よりも先にストッパーの人に対して突きの効果が伝わっているのを感じました。
さらに先生が肚を出して突くように姿勢を指導すると、突きの勢いが急激に増し、大人全員が一気に崩されました。子供の持つエネルギーの大きさと素晴らしさを改めて感じました。子供の時にこのような体験をするのとしないのでは、その後の人生に大きな違いが出ると思います。日常では知り得ない人間の可能性を子供の時に体感できるからです。指導の際、先生が、「海外の人のセミナーに参加した人が、もっと早くこのような空手があることを知りたかったと言っていた」と仰っておられましたが、その方の気持ちがよく分かります。この空手が本物であり、学ぶことで人生に希望が持てると感じたのだと思います。最後の宇城先生による指導では、先生が子供に対しても大人に話すのと同じ内容を同じ言葉で指導している姿に感銘を受けました。
ワクチンの利権の問題や日本で実験が行われること、ガザ地区で日々たくさんの子供が死んでいること、ニ酸化炭素が温暖化の原因なのではなくそれを利用したビジネスに問題があること、技術五輪の日本の成果が報道されないことなど、年齢の低い子供には内容が難しいのではと思うこともありましたが、子供はそれぞれ真剣に聞いていました。内容が難しくとも、先生が大切な何かを真剣に伝ようとする心が理屈ではなく伝わっているのだと思います。子供には難しいと考えること自体が大人の勝手な理屈であり、子供は大人が思う以上に多くのことを一瞬で学んでいるのかもしれません。
子供は先生の仰ることが今の自分に必要なものであること、先生の指導に嘘がないということを本能的に感じるのだと思います。この日の先生の指導からは、これからこの国で生きていく子供に対し、社会の中でしつかり自立できる力と自信を今持たせなければならないという強い危機感と責任、子供への愛情を感じました。同時に今の日本の社会の現状に対する先生の怒りを感じました。
先生の指導の後、自分が先生ほど真剣に子供に接しているか、これからの時代を生きて行くために必要な何かを真剣に教えてるかと我が身を振り返り、結局のところ自分も今の日本社会の危機的な現状を他人事としか捉えていなかったと気付きました。また、親としてのそのようなあり方は、子供の成長や人生に対してあまりに無責任で無関心だと気付きました。これでは子供を守ることは到底できません。先生の指導を何年も受けながら情けない限りです。
この度の宇城杯では多くのことを学ばせて頂きました。娘が宇城空手に入門して間もなく2年ですが、気が付くと私自身の稽古よりも子供の稽古を通じての学びや気付きの方が多くなってきているように感じます。親としては非常に未熟ではありますが、未熟ななりにその時その時を真剣に子供に向き合い、稽古を重ねて行きたいと思います。
今後ともご指導、ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。
■Y.F 自営業 静岡
第一回宇城杯の開催、誠におめでとうございます。開催にあたり尽力された大阪塾生の方々に感謝申し上げます。
今回開催された宇城杯では、先生は無論、榎本師範や拓治師範、またそこで学ぶ塾生の方々が子供達、後世への希望の種を蒔いてきた、その芽吹きを感じる事ができたと思います。子供達の型、演武は形の拙さもありますが、それよりも何より、見ていても魅力があり、全く飽きさせませんでした。これもエネルギーがあるからで、大人の型との違いが本当に良く分かりました。子供の場合は癖ではなく、その子の魅力であり、それを型にはめる事で、土台がしつかりとして、もっとその魅力が活かされていくのだと思います。またそれは指導する大人が如何にそのように指導、導き、引き出す事が出来るか、その子が持って生まれた魅力を、活かす事が出来るか、だと思いました。またその位の覚悟と真剣さを持って、指導というものは行わなければならないものだと思いました。
どの子も素晴らしかったのですが、特に最優秀受賞者のMさんと優秀受賞者のSさんの演武は圧巻で、見ていても感嘆の溜息しかでませんでした。柔らかさと芯があり、その身に宿るエネルギーの濃さ、みたいなものを感じました。Mさんは今回、最優秀賞という事もあり、その礼、ーっとっても、何というか隙が無い、というか、その人柄も型は無論、所作の一つ一つにも表れておりました。まさに名実ともに、文句の付け所の無い、最優秀賞であったと思いました。その姿はあの場に参加した子供達全ての見本、道しるべとなるものだったと思います。先生が言われるようにMさんに憧れる子達が出てくる、というのもよく分かりました。恐らく、自分が子供であっても、その姿には憧れると思います。またSさんも懇親会時に先生や榎本師範からお聞きした話では、同級生を守る為に、理不尽な大人との葛藤に直面しているとの事で、このような修行を十代でするなど、普通ではあり得ない高いレベルだと思います。これも宇城空手を学んでいるからこその修業だと思いました。このような大人の理不尽に、若いうちから気づき、その間違いに怒りを覚える、仲間の為に怒れる心を持っという事は、正義の心が宿っている、宇城空手を学ぶ上で非常に重要な事ではないかと思います。
宇城杯で実力がトップであったMさん、Sさんがそのように前を走る事でその後に続く子供達もそのようになってくると思います。それがまた希望だと思います。本来ならば宇城空手を学ぶ我々大人が、そのような姿を見せなければならないのだと思います。それが不甲斐なく、修行不足も甚だしいと感じます。それだけ大人は毒されてしまっているのだと思います。また、だからこそこのような子供達の姿を目の当たりにして、自分がどう感じて、どのように変化していくのか、何を学ぶのかが、非常に大事なのだと思います。
また榎本師範、拓治師範の型演武も、気迫が籠っており、空気の密度が濃くなったのを感じました。そこには宇城空手を学ぶ子供を絶対に良い方向へと導く、という覚悟を観たような気がしました。本来ならば、大人はすべからくそのような姿勢、心を持たなければならないと思います。その心を創り、そしてその心が人間の真の能力を発揮する為のものである事を宇城空手は教えているのだと思います。
その宇城空手の未来を担う子供達は、まさに希望の光であり、そのエネルギーをまさにこの目で観て、体感する事が出来ました。このような希望の光を守っていく為に、大人である自分は修行して、実力をつけなければならないと思いました。
この子らを守り、希望の光を繋いでいく為に、自らの矮小な我欲を捨てて、更に精進して参ります。素晴らしい機会をお与え頂き、誠にありがとうございました。
Comments