京都 実践講演会が開催されました
去る2025年1月26日(日)、京都市のハートピア京都にて宇城憲治塾長による京都実践講演会が開催されました。関西方面を中心に大人50名、小学生から高校生までの学生65名、参加者総勢115名の熱気あふれる3時間半のイベントが繰り広げられました。
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20数年にわたって宇城塾長のアスリートへの指導現場に同席していたスポーツライターの小林信也氏が昨年12月に著書『宇城憲治師の直伝「調和」の身体論 武術に学ぶスポーツ進化論』(宇城塾長監修 どう出版刊)を発刊しその様子を詳細に綴っていますが、この日、講演会の冒頭に放映された動画は、まさに氏が同席していた頃に記録されたもので、プロ・アマのアスリートや監督が塾長の指導でみるみる変化していく様や、武術というカテゴリーを越え、一人ひとりの潜在力を開花させる独自の指導法が紹介されました。
一人ひとりの潜在力開発のために、塾長が挙げたこの日のテーマのひとつは「無理と思っていることを可能にする体験」でした。
最初の実践は、宇城塾長が事前に準備したという自然石を、希望する子どもたちに割らせるというものでした。自然石割りはスポーツ空手などでは、何十年もの修業を経たうえでないと不可能とされ、またできることが凄さを示す象徴になっていますが、子どもたちは塾長の指導の下、コツをつかんで石を割っていきました。
子どもの頃から石割りが「特殊な能力」だとして「すごいこと」だと思わされてしまうと、大人になってもそれをずっと引きずってしまう。小さいうちからふつうに誰でもできることを体験すると、石割りに象徴されるような思い込みに邪魔をされて自分の可能性に蓋をされることなく、さまざまな潜在力発揮につながっていくと塾長は言います。
このような視点から今のスポーツや教育を見ると、石割りと同じように、勝敗に拘ったり、筋トレによるパワーアップを目指すスポーツや、受験勉強を最優先する今の学校教育の常識が、子どもたちの可能性に蓋をしているというあり方が見えてきます。塾長は、自ら人間の可能性をやってみせることや、今の常識にないことを参加者に次々に体験させていくことで、目に見えないエネルギーの存在があること、またそうしたエネルギーこそが現状を変え、進化、深化していく道筋を示していきました。
以下は当日行なわれた実践の様子を、写真と動画、参加者の感想で紹介していきます。
●[動画] 石割り
自然石を素手で割る。
「石を素手で割ることはできない」という思い込み払拭されていきます。
●調和の力 スクラムを倒す検証
6人ががっちりと組んだスクラムを横から押し、従来の「力(筋力)」と「調和の力」の違いを示していきます。
中学生がスクラムを力いっぱい押すが、倒れない
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▽
8歳の子どもが押すと・・・・
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▽
スクラムは簡単に倒れてしまう
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お母さんがスクラムを押すがびくともしない
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▽ 子どもがお母さんに触れると・・・・
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▽ スクラムは簡単に倒れた
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競うこと、衝突することを知らない子どもたちは、自らもスクラムを倒すだけでなく、周りにも影響を与えます。 宇城塾長は、その子どもの力はお腹の中にいる時期――妊婦さんが最強だと言います。
[動画] 妊婦さんの調和力
●[動画] 気の実践 1対多数の腕相撲
1対多数で、腕を机につけたところからの腕相撲。
宇城塾長に気を通してもらい、あり得ない勝負に勝つ体験をします。 自らに眠る潜在力を感じていきます。
●[動画] 大勢を引いて前進する
両腕にそれぞれ十数人をぶら下げて前進するという検証。
小学5年生の子どもは簡単に前進していきますが、高校生は衝突してしまい動くことが出来ません。
しかし、高校生が「出来た子ども」を見ることで、一瞬にして前進することが出来ました。
「出来る」人が一人でもいれば、伝播していく。「一人革命」の実証です。
このほか、参加者は身体を使った様々な検証で、従来の状態と気が通った状態を体感していきました。
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参加者の感想
●奈良 学生 13歳 男性
野球のこと以外に生活の中で大事なことを教えてもらいありがとうございました。
生きる上での知識で、ぼーっとしているのではなく、今日教えてもらったことを生活に取り入れようと思いました。
●京都 会社員 27歳 男性
人と人の間が大事。人を気遣うということが特に私にとって印象に残りました。
自分の日常を振り返ると人と人のつながりを意識せず自分だけの世界で迷っていることに気づきました。
人と人とのつながり、思いやりを大事にし、行動につなげていきたいと思います。
●奈良 中学生 14歳 男性
人には生まれもった力があってそれが子どもの時にはできたのに、大人になるとできなくなることを知って自分の中にある力を無駄にせず、これからの人生をいきていこうと思います。
●大阪 営業 27歳 男性
本日はありがとうございました。私は中学校2年生(当時14歳)の時に初めて参加しました。月日がたっても私の軸の部分は宇城先生の講演会で伝えられている人間力、人にやさしくする、というところです。今日会場でのエネルギーもすごく感じました。今後に活かしていきたいと思います。
●奈良 中学生 13歳 男性
動画で見た時はやらせと思ったけど実際に体験してみると本当で、体の中のものをすべて活用していてすごいと思った。
石は割れないと思い込んでいるから割れないのと一緒でなんでもやっていったほうがいいと思いました。
●山口 中学生 11歳 女性
「気」の力にはじめはとてもびっくりしましたが、こうして実践塾に通っているうちに私にも見えないけれどそういう力があるんだなと思いました。
●奈良 学生 14歳 男性
無理だと思っていても、「できる」という気があれば可能にできるんだと思った。
●大阪 パート 59歳 女性
人間の力を示してくださって、勇気が持てた気がします。
●奈良 高校生 16歳 男性
講演会を聞いて、これまで考えたこともないことに気づかされて、野球や普段の生活に活かせたらいいなと思った。
いちばん印象に残ったことは、メリケンサックで人を突いた時に、なぜか殴られている人より後ろの人が痛がっていたのが不思議に思った。
普段からぼーっとせずに、つねに人に優しくして気を張っていれば宇城さんみたいな技が使えるかもしれないのでがんばりたい。
●奈良 高校生 17歳 男性
僕は3回目で宇城先生の講演を聞かせていただきましたが、やはりまだ個人的に体の動く原理や気だけで人を動かすというのは3回目でもなかなか気を感じたりすることができず、難しいなと感じました。それでも今の僕たち若者の現状や今の日本の厳しい現実と結び付けて色々ためになる話をたくさんしてくださってありがとうございました。
何が起こっているのか分からない状況でもしっかり集中することで道が見えてくるのかなと、自分なりに解釈しましたが、気を感じないからといってボーっと生きているというのはちょっと違うのかなと思ったりもしました。ですが、宇城先生の言う通り、そのような面も僕たちは見せる時もあるのは確かです。このように僕たちが分からないような視点からチームとしても個人としても叱ってくださりありがとうございました。
また機会があれば、よろしくお願いします。ありがとうございました。気をちゃんと感じて実践できるようになるのを目指して、日々の生活も過ごしていきたいです。
●奈良 高校生 16歳 男性
今回、体験講習会に参加させていただいて感じたことは、体の大きさ、筋力の強さ、足の速さなどの体の能力が体を動かす一番の力になるのではなく、宇城先生が言っていたような他者を助けたいと思う「気持ち」や集中することなどが大切だと思いました。
単純に力を入れて体を動かすのではなく、どのようにして体を使って動かすかなどをしっかりと集中し、考えることも大切だなと思いました。
日々の学校の授業や部活動などでは体験できないような特別な体験をすることができて嬉しかったです。
今回体験させていただいたことをこれからの生活にも活かしていけたらいいなと思いました。この度はこのような貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。
●奈良 高校生 17歳 男性
体験講習会を通して、さまざまなことを学んだり、今まで体験できなかったことを体験したりでき、非常に貴重な時間となりました。
宇城憲治師匠が今回の講演会で大切にしていたことは、「不可能と思っていることを可能にする」「常識を疑うこと」「仲間を信じる、思い合うこと」「気」「気の力による一体感」だと感じました。
まず、「不可能と思っていることを可能にする」というのは最初の石を割るという行為です。僕は、石を割ると聞いた時は、そんなの不可能だと考えました。しかし、結果は異なり、楽々と割れてしまいました。だから、「先入観」というものは良くないと感じました。
次に「仲間を信じる、思い合うこと」というのは、体調不良の人のことを心配して声をかけるという思い合う行為をすれば、自分が持つ力を最大限もしくは最大限以上発揮することができるということです。だから「良い行ない」をすれば、必ず自分に返ってくるのだと実感することができました。最後、「気」「気の力による一体感」は、「常識を疑うこと」「仲間を信じ、思い合うこと」を完璧にし、究極系が「気」だと考えました。そのような絶対的自信(心の力)が、具現化され「気」という力になっていると感じました。「気」は現存の科学では証明できないので、僕は、一種の哲学として信じてみようと思いました。また機会があれば、参加したいです。
●大阪 30代 女性
毎回、宇城先生が参加者にとって一番良いように、アレンジをしながら伝えてくださり、本当に毎度が唯一無二で一期一会だと感じながら参加させていただいています。一方で、変わらず伝え続けてくださること、人間には素晴らしい力があり、それに気づくということ、大人はそのような力をまだ失っていない子どもたちを邪魔せず、その力を発揮するために、何をしなければならないのかということ、それを考えさせられます。
娘は講演会に続けて参加させていただくなかで、人を推したり、引っ張ったりという実践の内容が分かってきたり、自分がそれができると気づかせていただいていて、今回は自分もやりたい!という気持ちが全面に出ていました。先生に呼んでいただいたときは、照れながらも1人で知らない人と手をつないでいて、娘の変化を感じました。
親としては、直後に先生が仰った「この力も、このままでは小学校と続いていくなかで失われてしまうよ」ということが強く心に残りました。日本の教育の状況や、日本の社会の状況では、親が勉強し、変わらなければ、本当に先生の仰る通りになってしまうと思います。しつけに関しても「まずは親」と先生が今回何度も仰っていたように、社会のしくみは変えられなくとも、その中でどのように生きていくのかは、自分たち次第と思います。
選べるならばより良い環境や出会いを選択できるように、親として知識を得たり考えることももちろん必要ですが、子どもが大人になるときの境遇はコントロールできない以上、子どもの土台として、自分がどのような生き方をするのかということ、自分の人生つまり毎日の言動をよりよくしていけるように日々努力することが、子どもにとってできることであり、自分の人生の責任だと感じさせていただきました。そして、目指すべき最高のモデルとして、宇城先生に出会い、生き様にふれさせていただけることを、ありがたいことだと改めて感じました。
●京都 教員 40代 男性
日曜日ハートピア京都で開催された教師塾、京都実践講演会でのご指導誠にありがとうございました。事務局を担当させていただき、何名かの先生とのメールのやり取りをさせていただく中で、先生方が日本の教育を何とかしなくてはいけないという想いをお持ちだということをすごく感じるようになり刺激をたくさんいただきました。そこに宇城先生によってエネルギーが注がれることで現場が変わっていくことが教師塾のミッションだと思います。そのためにも教師自身が深く学ぶこと、素直になること、行動・実践していかなくてはいけません。
教師塾に参加するだけで何も変化しなくては全く意味がありません。宇城先生が 2025 年は「変革の年」とおっしゃっていました。世界情勢をみても本当に多くのことが動き出す年になることは間違いありません。そこに対して、どれだけの危機感をもち、実践していくのか試さていることを肝に銘じておかなくてはいけません。
しかし、日本の教育は、目先のことばかりで本質的な改革は一切行われておらず、授業時間が長いものの英語が身についていない。身についていないというよりは、会話ができない。単語や文法の力はないわけではないはずなのに…。要するに実践で使えないという現状。何のための学習なのか。将来こどもたちが社会に出た時にいかすことができるようになるために、学校という場があるはずなのに全くそうはなっていない現実をどれだけの教育関係者が認識しているのか。今一度立ち止まり、考え直さなければ、これからさらにグローバル化が進む社会で日本は生き残っていくことができなくなります。文科省の目指している身に付けさせたい能力というのは、既に「言葉」だけであり、本当に身につけさせる指導ができる教師がいないことが何よりの原因だと言えます。
教員という免許を取れば誰でもなれる職業であり、なり手がいない中なので、昔に比べ倍率もかなり下がっていることもあり、どんどん教員自身の資質と能力が低くてもなれてしまうこの現状にも着手しなくてはいけないと感じました。「地球は重力で。磁石は磁力で。人間は魅力で惹きつける。」ここには、人間力はもちろんのこと。
教師である以上、教科指導力など多くの要素が含まれています。宇城先生のように、武道、野球、水泳、陸上、音楽、学問どの分野においても全てに合わせることができる。それは、どの分野においても中心が同じであるから。その深さを持っているからこそ誰でも、いつでも調和する。この次元の高さをもっている存在がこうして近くにいていただけることに感謝しかありません。
それを今後引き継いでいくためにも私たち教師が生徒たちに「今まで見たことのない世界を体験させること。」で今までの常識や生徒自身小さくなっていた殻を破っていくきっかけを創り出していくことが求められています。今の日本の教育システムでは、変革は起きません。生徒自身に多くの実践の場を与え、そこから学ぶことの意義を見出すような流れにしなくては、机の上だけでは何も変化は起きません。そう考えると留学という機会は、これまでの自分にない世界であり、無理を自分で可能にしていかなくてはいけないものです。日本のことわざに「苦労は買ってでもしろ!」があり、決して留学でなくても、「苦労」という自分で乗り越えなくてはいけない経験をいかにするか。そこに学ぶことへの要素があること。その深さを伝えることならどの学校、どの教師にでもできることではないかと思います。今自分自身が置かれた立場で何ができるのか真剣に考え、行動していくことでしか「変革」など起こるはずもありません。行動あるのみです。
こどもたちは、いつでも素直です。ただ、どんどん生徒たちの身体が劣化していることが今回の講演会でも気づかせていただきました。真剣になる瞬間はあるものの、すぐに気が切れてしまう。それは本校でも同じことが起こっています。この実情をどのようにとらえるのか。保護者と教師が共に手をとり、見守り、時に厳しく指導することが大切さを改めて気づかせていただきました。宇城先生の指導には愛があり、だからこそこどもと衝突しているようには全く感じませんでした。むしろその指導がこどもの身体に入っていくような感覚がありました。言葉ではないエネルギーがあるからこそできる指導です。口先、小手先では今の教育現場ではパワハラになってしまいます。だから、1に勉強。2に勉強。3に勉強。学び続けることで自分自身の身体が変化するように鍛錬していくしかありません。引き続き、ご指導よろしくお願い致します。
(東京・大阪・仙台・名古屋・岡山・熊本)
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