top of page

新刊『宇城空手の極意「型」と気』に寄せて


新刊『宇城空手の極意「型」と気』は、豊富な写真を掲載した空手技術書として書いていますが、書く上での第一の視点は「空手を何のためにするのか」ということです。そしてその事は「人間は何のために生きるのか」に発展させています。「空手」のための「空手(の稽古)」では単なるテクニック的な技術書となり、自己の狭い世界になります。それは仕事でも同じです。「仕事」のための「仕事(の勉強)」では発展がありません。 そのような状況に陥らないよう、より大きな視点を持って、という思いで本書を手掛けました。大きな視点とはすなわち、過去、現在、未来という時間の流れのなかで、「過去」とは歴史観であり、「現在」とは未来を希望あるものにする進行形の場であるとするあり方です。

その中で最も重要な点は、人間の潜在力とその可能性を引き出すプロセスとメソッドが、すなわち身体と心の「事理一致」の理論と実践が、「型と分解組手」という具体的な実践を通して記されているということです。



武術は自分の身を守る最高の実践術です。本書は、昨今に見るような実践・行動のない理論・理屈の「技述書」ではなく、実際に使える「技術書」です。人間が生きている仕組みは、心臓をはじめあらゆる臓器が助け合っているからこそであり、その心臓や臓器は私たちの意識ではどうにもなりません。すなわち私たちはまさに「生かされている」ということです。この「生かされている」に立ってこそ、本来の「生きる」も生まれてくると言えます。


その「生きる」を本書は説いています。


従って本書は、空手をする、しないに関係なく、あるいは逆に、していないからこそ、参考になると思います。 



Comentários


bottom of page