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塾長が被災地・熊本を訪問しました


2016年4月14日の熊本地震発生から1ヵ月となる5月13日、宇城塾長は被災地を訪問しました。 この日は熊本道塾の開催日でしたが、地震発生とともに会場が使用不可能になるなどし、やむなく中止となっていました。しかし宇城塾長は、被災した塾生を元気づけたいと熊本を訪問をしました。 UK実践塾・あすなろ支援の会では宇城塾長のもと、地震発生直後から大分実践塾生、福岡実践塾生を中心に、全国の塾生が物資調達、物資搬送などの支援を行なってきました。その活動のなかで現地の被災塾生から聞こえてくる実態は、マスコミ報道とは異なるものでした。 あすなろ支援の会が立ち上げられた2011年の東日本大震災の時と同じように、被災地の空気に触れ、実際に見聞きすることの重要性を感じた塾長が、今回の訪問を決断されました。

震災発生の翌々日、4月16日深夜 大分より第1回支援物資を輸送

4月18日 福岡より物資を輸送 以降、4月20日、23日、25日、5月5日と、物資を輸送

4月30日 益城町の自主避難所にて、大分県豊後大野の農家の皆さんと協力し、300食の炊き出しを実施

インスタントの食事を続ける避難者の皆さんに、できたての豚汁、おにぎりをはじめ、

漬物や天ぷらを提供、たいへんに喜ばれた

5月13日当日は、熊本道塾の山野氏とその友人・太田氏の案内で、南阿蘇の被災地を訪ねました。 雄大な自然の中に点在する集落は道路陥没や橋の損壊などで孤立し、山道を大変な遠回りをしたり、緊急に道路を造成するなどして生活路を確保していました。 緑美しい山の斜面には土砂崩れの跡が生々しく残されています。 沿道の家屋の多くが倒壊、破損している様や、地割れや崖崩れ、橋梁の落下現場などを目にすると、地震という自然の驚異とそのエネルギーの大きさ、人間がつくりあげるもののはかなさを感じざるを得ませんでした。


観光拠点である道の駅「あそ望の郷 くぎの」から山々を望む 地滑りがいくつも見られる


阿蘇の観光事業に携わっている太田氏から説明を聞く塾長 右から山野氏、宇城塾長、太田氏


長陽村を巡る いたるところに土砂崩れの跡が見られた


崩れた崖下からペンションを望む


高台にあるペンション村を案内してもらう


ペンション村に車であがる主要道路が完全に崩落 最初の大地震の翌日、元々あった人道を急きょ造成してもらい 車での行き来が可能になったという


崩落した阿蘇大橋周辺にて


道路に続いていたはずの橋が谷底に落ちてしまっていた 対岸の流れ落ちた土砂の規模に対してパワーショベルはあまりにも小さい


阿蘇大橋近くのコンビニの裏 崖崩れが店舗ぎりぎりに迫っている


店舗裏が崖崩れとなったコンビニの、激しく地割れした駐車場にて このコンビニは開店2ヵ月だったという



熊本市内に向かう途中 目に入るどの建物も崩れてしまっていた 一見大丈夫そうな建物でも、多くが赤い「危険」の張り紙が貼られていた

被災した塾生の多くが、 「次の瞬間に何が起き、どうなるか分からない。地震と被災の経験で、塾長が常に諭してくださった、"今"がいかに大切か、平凡な毎日がどれだけ幸せなことかがわかった」 と語っていました。 熊本市内に入り、被災した塾生と、支援活動に参加した塾生で、塾長を囲んでの懇親会が行なわれました。 余震への不安と、ライフラインも完全復旧しておらず不便な生活を強いられる中でも、集まった塾生は予想外の明るさで塾長を驚かせましたが、それは、普段の塾長の指導の賜物であり、全国の塾生からの支援活動、仲間のつながりがあったからこそと、口々に感謝を述べていました。 塾長と季刊『道』で対談し、東日本大震災においてはあすなろ支援の会の要望で復興支援コンサートを開催してくださった、歌手で女優の坂本スミ子先生も駆けつけてくださり、 「熊本はこんな苦しい思いをして何を得るのか。  悲しみだけ、破壊だけを得たのか。  そうじゃない。  そこから立ち上がる何かを、絶対に得ると思う。  これは立ち上がるのに4、5年はかかります。  でも、この辛さがあったら立ち直れる。  それくらいの時間がかかっても皆、必ずやります。  負けませんよ!」 と力強いお話をいただきました。


現在、熊本で聖母幼愛園園長を務める坂本スミ子先生  坂本先生の保育園・幼稚園の600人の子供たち、保護者は、全員無事だったという

最後に宇城塾長から、 「被災地を回り、言葉にならないくらいショックを受けました。大自然という相手を前に、我々人間がなすすべは何もないですが、裏をかえすと、人間一人ひとりが「ここからやるぞ」という気持ちがないといけないのじゃないかなと思います。 熊本の皆さんに会ってみると、本当はもっと落ち込んでいいはずだと思いますが、皆元気です。これには本当に驚かされました。 潰れた家を前に、明るく説明してくれる。 一体これは何なのだと。 私は、これが熊本の、次に向かうエネルギーじゃないかと思います。必ず、熊本は立ち上がる。これは間違いないです。 仲間の窮状に即行動を起こして支えた塾生の存在も嬉しいことでした。 いつどこで、何があるか分かりませんが、ファミリーの気持ちで行動する仲間がいることで、お互いが元気に前に進めると思います。」 とのお話をいただきました。 現地塾生を取り巻く状況は徐々に落ち着きを取り戻していますが、復興にはまだまだ時間がかかることでしょう。塾長が立ち上げられたあすなろ支援の会のもと、これからも現地塾生の声を聞き、物心両面で支えていければと思います。

道塾事務局 千葉由利枝


「熊本、がんばるぞ!」

熊本の復活を願って グリル・ドゥ・ギャンにて

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